4つの地盤改良工法

宮尾組は4つの工法すべてが可能です。

地盤改良には様々な工法があります。株式会社宮尾組では4つの工法をご用意しており、あらゆる地盤に対応が可能です。

工法1

しっしきちゅうじょうかいりょう

湿式柱状改良

湿式柱状改良

セメント系の固化材に水を加え、スラリー状(固体が液体に溶解せず、固体と液体の2総になっている状態) にしたセメントミルクをポンプで地中に圧送し、土と撹拌して柱状の改良体を造る工法。

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工法2

しょうこうけいこうかんくい

小口径鋼管杭

湿式柱状改良

軟弱地盤において、その下にある支持地盤にまで小口径鋼管杭を圧入する工法のこと。
鋼管の先端にスパイラルフィンを取り付け、回転圧入します。

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工法3

ちんかしゅうせいこうじ

沈下修正工事

湿式柱状改良

沈下してしまった部分の基礎の下を掘り、打ち込みジャッキによって鋼管杭を圧入して支持層まで到達させ、それによって建物を押し上げて沈下を修正する工事。

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工法4

ひょうそうじばんかいりょう

表層地盤改良

湿式柱状改良

地盤の表層部に軟弱層が分布している場合に、セメント系固化材と表層地盤土を混合撹拌して、必要な強度を確保する工法。

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工法1 湿式柱状改良

湿式柱状改良

セメントと土を混ぜて柱を作る

「湿式柱状改良」とは、セメント系の固化材に水を加え、スラリー状にしたセメントミルクをポンプで地中に圧送し、土と撹拌して柱を造る工法のこと。

建築物の規模によって、直径φ500mm~1,200mm程度の柱状の改良体を造ることで、地盤の支持力を高めることができます。 軟弱地盤に適している、もっともポピュラーな地盤改良の工法です。

湿式柱状改良のメリットとデメリット

メリット

  • 短期間で強度を得ることができ、また長年にわたって維持できる
  • 支持地盤がなくても施工が可能
  • 鋼管杭と比較して、低コスト
  • 機械が小型のため、比較的狭いスペースにも対応が可能
  • 入手しやすい固化材を使用しており、土質への対応範囲も広い

デメリット

  • 作業にあたっては、給水設備が必要
  • 産業廃棄物などが混在する地盤は、撹拌翼での作業に制限が出るため、
    事前に撤去し良質土と置き換えておく必要がある
  • 腐植土の場合には、作業をしても強度が得られないケースが多いため、
    事前に配合試験を実施し、添加量を決定しておく必要がある

施工ケース

適用ケース 強固な支持層が見当たらず中間層が存在する場合
杭の長さ2~20mしたまで可能
改良径 一般住宅・小規模建築物:φ500mm~φ800mm
中規模建築物:φ800mm~φ1600mm
土木・構造物基礎補強等をGIコラム工法NETIS登録
適用できないケース 軟弱層のほとんどが腐植土の場合
地下水脈があり、撹拌が困難な場合

施工の流れ

ステップ1

事前準備~機械搬入

事前準備~機械搬入

あらかじめ設計図書より杭位置・標高を確認。さらに周辺構造物を調査し、 杭芯の測量などを行います。これらの事前準備が済んだら、現場に施工機械を搬入します。

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ステップ2

固化材入荷

固化材入荷

セメントミルクに欠かせない固化材を入荷し、施工の準備に入ります。

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ステップ3

プラント設置

プラント設置

プラントを設置し、給水等の準備を行います。

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ステップ4

杭芯セット

杭芯セット

施工機械を設置し、杭芯をセットします。

ステップ5

注入混合撹拌

注入混合撹拌

攪拌翼によって、セメントミルクと土を撹拌します。

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ステップ6

残尺確認

残尺確認

残尺を確認します。

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ステップ7

打設完了

打設完了

改良体の打設が完了し、施工終了となります。

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ステップ8

杭頭処理

打設完了

最後に杭頭の処理をして埋め戻し、養生のための期間を置いて、地盤改良が完了します。

工法2 小口径鋼管杭

小口径鋼管杭

セメントと土を混ぜて柱を作る

「小口径鋼管杭」とは、軟弱地盤において、その下にある支持地盤にまで小口径鋼管杭を圧入する工法のこと。

鋼管の先端にスパイラルフィンを取り付けて、地盤に回転圧入します。鋼管先端部の支持力と、鋼管周面の摩擦力によって、その上の建築物を支えることができます。

小口径鋼管杭のメリットとデメリット

メリット

  • 重量のある建物も十分に支えられる
  • 支持地盤の傾斜や起伏に対応が可能
  • 鋼管の体積分に相当する土は、杭周辺に締め付けられるため、残土や地盤の盛り上がりがほとんど発生せず、現場がきれい
  • 柱状地盤改良のような養生期間が不要のため、すぐに基礎工事に着工できる
  • 乾式工法のため、地下水脈などが問題になりにくい

デメリット

  • 産業廃棄物などが混在する埋土の場合、杭芯がずれたり鋼管が損傷したりする可能性が高いため、事前に撤去し良質土と置き換えておく必要がある
  • GL-2.50m未満の長さの場合には、設計が困難
  • 比較的コストが高い

施工ケース

適用ケース 軟弱地盤の下の支持地盤が深い場合
改良径 既成鋼管(JISG3444,STK400)を使用
小口径鋼管:φ101.6~ 216.3mm
適用できないケース 産業廃棄物などが混在し、撤去が難しい場合 など

施工の流れ

ステップ1

事前準備~機械搬入

事前準備~機械搬入

あらかじめ設計図書より杭位置・杭頭高を確認。 さらに周辺構造物を調査し、杭芯の測量などを行います。これらの事前準備が済んだら、現場に施工機械を搬入します。

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ステップ2

鋼材搬入

鋼材搬入

鋼材を搬入し、施工の準備に入ります。

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ステップ3

スパイラルフィン溶接

スパイラルフィン溶接

鋼管にスパイラルフィンを溶接します。

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ステップ4

建込み

建込み

施工機械に鋼管吊り込みをセットし、回転圧入を行います。

ステップ5

中当補強

中当補強

継ぎ目部分を補強します。

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ステップ6

継目溶接

継目溶接

必要な長さにするために、接続部分を溶接します。

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ステップ7

キャップ溶接

キャップ溶接

鋼管の頭にキャップを溶接します。

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ステップ8

施工完了

打設完了

最後に杭頭の処理をして埋め戻し施工が完了します。

工法3 沈下修正工事

沈下修正工事

起きてしまった沈下を修正

もともとの地盤不良や、地震などによる液状化によって建物が傾いてしまうことを不同沈下(ふどうちんか)といいます。 不同沈下が起きてしまった場合には、できるだけ早く沈下を修正することが必要です。このような場合に行う工事を「沈下修正工事」といいます。

「沈下修正工事」の主な工事は、沈下してしまった部分の基礎の下を掘り、打ち込みジャッキによって鋼管杭を圧入して支持層まで到達させ、それによって建物を押し上げて沈下を修正する工事です。 「小口径鋼管杭」に似た工事になりますが、すでに建物があって機械を入れられないため、手作業になり大変手間がかかります。

沈下修正工事のメリットとデメリット

メリット

  • ジャッキを緻密に調整することにより、精度の高い施工が可能
  • ジャッキを同調操作することにより、基礎への負荷が少なくて済む
  • 基礎強度がある程度あれば、ほとんどのタイプの建物に施工が可能
  • 再沈下防止が期待できる
  • 工事中にも住生活は続けられる

デメリット

  • 基礎強度が不足している場合には、適用できない
  • 建築面積が広い建物だったり、支持層が深かったりする場合には、比較的高コストになる

施工ケース

適用ケース もともとの地盤不良や、地震などによる液状化によって建物が傾いてしまった場合
適用できないケース 基礎強度が不足している場合
支持層が深すぎる場合 など

施工の流れ

ステップ1

地盤調査・準備

地盤調査・準備

不同沈下が起きた建物の、地盤の支持層を調査し、圧入する鋼管杭の長さを設定します。

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ステップ2

基礎下の掘削

基礎下の掘削

基礎下の地盤を掘り起し、建物の重さを反力として、打ち込みジャッキを用いて鋼管杭を圧入します。

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ステップ3

鋼管杭の圧入・溶接

鋼管杭の圧入・溶接

あらかじめ0.5~1.0mに切断した鋼管を圧入し、支持層に到達するまで溶接をくり返します。

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ステップ4

支持層に到達

支持層に到達

鋼管杭が支持層に到達します。

ステップ5

建物の挙上

建物の挙上

油圧ジャッキを用いて、建物を押し上げます。

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ステップ6

調整と固定

調整と固定

レベリング(水平を出すこと)し、微調整を行い、ピース管を用いて、基礎と鋼管杭を固定します。

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ステップ7

埋め戻し・補強

埋め戻し・補強

掘り出した土を埋め戻し、基礎と鋼管杭の接合部分を発泡モルタルによって補強します。

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ステップ8

施工完了

打設完了

施工完了となります。各種配管や土間、内装、外壁、外柵などについては、別途施工を行います。

工法4 表層地盤改良

表層地盤改良

表層地盤の土とセメントを混合撹拌

「表層地盤改良」とは、地盤の表層部に軟弱層が分布している場合に、 セメント系固化材と表層地盤土を混合撹拌して、必要な強度を確保する工法です。

基礎の下に杭を打つのではなく、硬質で均一な安定層を造って上部の建物を支えます。杭を打つまでの深い補強までは必要ないものの、 浅い部分のみ補強が必要だという場合に適用されます。。

表層地盤改良のメリットとデメリット

メリット

  • 置換工法のように土の搬出をする必要がないため、効率が良い
  • 固化材が入手しやすく、土質への対応範囲も広い
  • 改良層が浅い場合には、比較的低コストに抑えられる
  • 産業廃棄物などが混在する地盤は、バックホウにて産廃等の撤去をしながらセメントによる改良が出来る

デメリット

  • 腐植土の場合には、作業をしても強度が得られないケースが多いため、事前に配合試験を実施し、添加量を決定しておく必要がある
  • ブロック塀などの構造物の近くで施工する場合には、山止めが必要

施工ケース

適用ケース 表層部のG.L -2.0m以浅に軟弱層
(粘性土 N≦3、砂質土 N≦4)が分布している場合
適用できないケース 安定地盤が不均一、傾斜がかかっている場合
地下水脈が改良面より浅い場所に多く存在する場合

施工の流れ

ステップ1

事前準備

事前準備

あらかじめ設計図書より改良範囲を確認。施工範囲の区画割などを行います。 これらの事前準備が済んだら、現場において施工準備を行います。

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ステップ2

張(ちょうはり)確認

張(ちょうはり)確認

次に建物の正確な位置を出す、丁張の確認を行い、施工範囲の区画割を行います。

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ステップ3

掘削

掘削

基礎底面地盤まで掘削し、出た土を仮置きします。

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ステップ4

固化材搬入

固化材搬入

土と撹拌するための固化材を搬入します。

ステップ5

固化材投入

固化材投入

掘削した地盤に固化材を投入します。

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ステップ6

混合撹拌

混合撹拌

固化材と土を混合撹拌します。

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ステップ7

敷均、転圧

敷均、転圧

基準層ごとに転圧、締固めを行います。

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ステップ8

改良完了

打設完了

仕上げの転圧を行って高さを確認した後、仮置きした土を埋め戻して整地し、施工完了となります。

地盤調査について

地盤調査とは

地盤調査とは、建築などを行う前に対象となる地盤を調査し、
地盤性質構造を把握すること。

これによって地盤の軟弱層の有無や支持地盤の深さなどがわかり、適切な基礎工事や地盤改良のプランを立てることができるのです。地盤は大昔から様々な特性をもった地層の積み重ねによって構成されているため、安全のためには奥深くまでしっかり調べることが必要です。

当社では、「スウェーデン式サウンディング試験」「ボーリング調査」というふたつの調査法によって、確実な調査を行います。

新築住宅には

スウェーデン式サウンディング試験

スウェーデン式サウンディング試験

「スウェーデン式サウンディング試験」とは、ロッドという鉄の棒の先端にスクリューポイントを取り付け、 頭部に荷重を加えて回転させながら地盤に垂直にねじ込んでいき、 地盤の性質を調べる方法のこと。貫入に必要となった荷重とロッドの回転数によって地盤の堅さを、 また貫入時にロッドに伝わる音や抵抗によって、砂質土・粘性土などを判別することができます。

スウェーデン発祥の、JIS規格に制定されている歴史ある地盤調査であり、おもに一般住宅に対して行われています。 調査費用は1回につきおよそ3~4万円と比較的低コスト。 調査機は小回りが利くため、狭い土地でも問題なく調査が可能です。

国土交通省告示 第1113号

「スウェーデン式サウンディング試験」は、
国土交通省によって次のように告示されています。

基礎の底部から下方2m以内の距離にある地盤にスウェーデン式サウンディングの荷重が1kN以下で自沈する層が存在する場合若しくは 基礎の底部から下方2mを超え5m以内の距離にある地盤にスウェーデン式サウンディングの荷重が500N以下で自沈する層が存在する場合にあっては、 建築物の自重による沈下その他の地盤の変形等を考慮して建築物又は建築物の部分に有害な損傷、変形及び沈下が生じないことを確かめなければならない。

ビルなどの大きな建物には

ボーリング調査(標準貫入試験)

ボーリング調査(標準貫入試験)

「ボーリング調査」とは、地質・土質・岩盤など地盤を調べる、基本的な調査方法。こちらも100年以上の歴史を持っており、おもにビルやマンションなどを建築する前に行う、本格的な調査です。

先端に歯を付けたパイプを、ボーリングマシンで回転させて地面を掘削することによって、地質資料の採取や地層の判定を行う方法であり、掘削によって空いた穴を利用し、並行して「標準貫入試験」を行います。

本格的な調査となるため費用は比較的高額になり、作業時間もかかりますが、「地層を直接見て土質の判定が可能」「あらゆる地層に対応できる」「硬質な地層の厚みを確認し、その下の軟弱地盤の有無も確認できる」などの多くのメリットがあり、大規模な建築には欠かせない調査となります。

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