住宅を建てたあと、しばらくは家の重みなどで若干ですが、地盤が沈みます。この沈下が均等であればいいのですが、軟弱地盤などの場合、不均等に沈下し、家が傾いてしまうことがあります。この現象は「不同沈下」と呼ばれるものです。
住宅を建てたあと、しばらくは家の重みなどで若干ですが、地盤が沈みます。この沈下が均等であればいいのですが、軟弱地盤などの場合、不均等に沈下し、家が傾いてしまうことがあります。この現象は「不同沈下」と呼ばれるものです。
下図は、不同沈下の原因を示したものです。
田圃砂地等の埋立て地、切土と盛土にまたがった土地、もともと悪い地盤が原因の80%を占めています。
もともと悪い地盤は地形によって形成されたもので、後背湿地・潟湖跡・三角州などの軟弱地盤です。
海に面した埋立て地は、ゆるい砂質地盤からなっていますが、砂地盤は地震時に液状化現象を起こし易い状態にあります。その他にも、隣接地で大量の盛土や掘削があったり、大量の地下水のくみ上げなども不同沈下の原因になります。また、地震や、大雨などによる地すべりなど自然災害により、不同沈下が発生する可能性があります。このように、宅地として造成された地盤状況が、住宅基礎に大きく影響します。
しっしきちゅうじょうかいりょう
湿式柱状改良
しょうこうけいこうかんくい
小口径鋼管杭
ちんかしゅうせいこうじ
沈下修正工事
ひょうそうじばんかいりょう
表層地盤改良
家を建てる際には、まず家自体の構造や耐久性、デザインなどにこだわられることと思います。
しかし、家を建てる地盤がきちんと整っていなければ、せっかくのマイホームは傾いてしまいます。そういった事態を防ぐために行うのが、地盤改良です。
実は、日本は他国に比べて軟弱地盤が多いといわれています。近年では欠陥住宅の問題が話題に上っていますが、 その原因のひとつに挙げられています。さらには地震や大雨などの自然現象の影響によって地盤は日々変化していることからも、 地盤の入念な調査や改良は欠かせない事項だといえるでしょう。
地盤改良は目に見えない部分の作業になりますが、家づくりにとって、ある意味もっとも大切なものだといえます。そのうえ非常に専門性の高い作業となるため、信頼のおける業者に依頼することをおすすめします。
地盤改良をご検討の方だけでなく、
防災対策上でも、そのような場所を知って
おくことは重要です。
特に揺れやすい地域での土地を購入された方や、
お住いの方は、地盤調査をおすすめします。
これらの地盤の厚みは場所によって異なり、日本では軟弱地盤と呼ばれる沖積層が広く分布しています。そのため家を建てる際には、多く の場合洪積層までしっかり届く杭を打って支える補強工事や、地盤改良などの適切な対応が必要です。地盤の層だけでなく、地形によって も、異なります。
崖錐(がんすい) | 急傾斜の山麓に土砂がすべり落ち、堆積してできあがった不安定な地形のことを指します。 |
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干拓地(かんたくち) | 遠浅の海や内陸水面などを、土を運んで埋め立てて陸地にした地形を指します。地盤は軟弱で水はけもよくありません。 |
旧河道(きゅうかどう) | 過去に河川が流れていた跡地を指します。周囲の土地よりも低い場所にある帯状の地形で、地盤は軟弱で水はけもよくありません。 |
丘陵地(きゅうりょうち) | ゆるやかな丘状の地形を指し、洪積層や古い地層で構成されています。地質は古く、比較的地盤は安定しています。 |
後背湿地(こうはいしっち) | 自然堤防や海岸砂丘といった、河川や海の後ろにできる湿地帯です。地盤は軟弱で、水はけもよくありません。 |
砂丘(さきゅう) | 強い風よって海岸の砂が堆積して形成された地形を指します。水はけがよく、良好な地盤です。 |
砂州(さす) | 土粒子が海流によって運ばれて堆積した地形です。地盤は比較的良好ですが、地震の際には液状化が起こるおそれがあります。 |
三角州(さんかくす) | 川から運ばれてきた土砂が、河川の河口に堆積した地形です。扇状に形成されており、地盤は細砂や粘土を主体としているため軟弱です。 |
自然堤防(しぜんていぼう) | 河川の氾濫など洪水の際に運ばれた土砂が河岸に堆積した地形です。地盤は比較的よく、水はけも良好です。 |
潟性低地(せきせいていち) | 砂州の後ろに形成される湿地を指します。地盤は非常に軟弱で、水はけもよくありません。 |
扇状地(せんじょうち) | 山から平野にむかって広がっている、半円で扇状の地形を指します。地盤は砂や石などで形成され、比較的安定しています。 |
扇状地性低地(せんじょうちせいていち) | 扇状地の末端部に形成される地形で、砂や石、軽石などで形成されています。地盤は比較的良好です。 |
台地(だいち) | 表面が平坦になっており、周囲より高くなった地形です。ほぼ水平な地層からなっており、地盤は比較的良好です。 |
谷底低地(たにそこていち) | 山や台地に刻まれた谷川の出口が自然堤防や砂州の堆積物でふさがれてできた地形で、腐葉土などで構成された軟弱な地盤です。 |
「軟弱地盤」とは、建築物を支えきれずに沈下を起こす可能性がある地盤のこと。 これには、かつて水田地帯や河川流域であった場所など、自然の堆積によるもののほかに、海岸線の埋め立て地や、 既存の建物の撤去時に適切な造成工事が行われなかったなどという人工的な要素によって形成されたものがあります。
軟弱地盤に家を建ててしまうと、地震が起きたときには大きく揺れ、また不同沈下などを起こしてしまう可能性があるため、注意が必要です。
地盤沈下とは、地面が徐々に沈んでいく現象のこと。建物は地盤に対し常に荷重をかけており、地盤に問題がなくてもごくわずかな沈下はあるものなので、 沈下が均等に行われていれば、とくに問題はありません。しかし地盤が均等に整えられていないために不同沈下が起こると、建物は大きく傾いてしまうのです。
不同沈下とは、地盤の強度が均等でないために、斜めに傾いて起こる沈下のこと。 これが起こると建物は傾き、さらに支えている部材も歪んでしまいます。不同沈下の原因には次のようなものがあります。
不同沈下の一種、液状化。地震などによって、圧力の強い水が地表に近い砂の多い地盤を押し上げて混ざり、液体のような地盤になってしまう現象をいいます。 液状化が起きると、建物が沈下したり、水道管が浮き上がったり、また水が噴き出したりするなどの被害が生じてしまいます。液状化の原因は次のとおりです。